3 渡邉盤 / cali≠gari
もはや自身に欠かせないバンド、cali≠gari。
久々のセルフカバー集のリリースということで色めき立っていた私です。
セルフカバーシリーズの前作”2”は石井秀仁楽曲を石井氏がアレンジをし、
不思議なほどのエレクトロ×バンドサウンドの化学反応を体現した名盤でした。
収録曲は「破れた電報」「新宿エレキテル」「コバルト」「君と僕」「空も笑ってる」「腐った魚」。
今作は、青氏のバンド内セルフワークともいうべき
青氏がボーカルを取った楽曲のセルフカバーということで
正直あまり期待していなかった節がありました。敢えて聴く曲達ではなかったので。
ただ、ワンパッケージになると起承転結・アレンジのバランス共に素晴らしく、導入から終わりまで一気に引き込まれてしまった。
どの作品であれ、一曲目と最後の曲をしっかり作り込むのはこのバンドの好きなところです。
何よりの注目所は、コバルトと君と僕のアレンジが石井氏/吉田氏であったこと。
個人的にはGOATBEDにもどっぷりなのでやや贔屓目ではありますが、
前者については、ファニソンや淫美の流れを汲む”踊れる”構成になっており、村井氏のベースも弾みまくって最高の仕上がりに。
あと、どことない切なさを帯びさせるのが本当にうまい。曜日部分があんなことになるとは…。泣きながら踊れる仕様。
君と僕のギターには若干のラルクを感じています…。
新宿エレキテルはサックスやトロンボーン等豪華客演によるこれぞ第八期的な仕上がり。
セルフカバーだからできる崩し方を以て、このバンドの本筋ではない方面の魅力が溢れ返っています。
切なく!かっこよく!静寂と混沌!昭和歌謡とシティ感!でないところ。
やはり強烈に概念として存在しているところが強い。なと思います。
といいつつも、今作は全作詞作曲桜井青なわけで。
妙な安心感を持って聴けたのも事実で、ダークともライトとも言えない、なんとも心地よくまろやかな混沌を感じました。
ここ最近のカリガリは妙な安心感があるなと思います。音楽的には、の話ですが。
眼鏡屋さんとのコラボで、2018年版の密室感を感じました。
割にしっかりした眼鏡拭きがinしています。会社で使ってます。
いつまでカリガリしてくれるのかわからないけど、再結成後からずっと楽しませてくれてもはや感謝の域に達しています。
ナムナム。