スーパーラジカル

ヴィジュアル系とか、、、、

"recovery of the god" at 下北沢SHELTER 2016.05.04

一年振りのゴッドさんワンマンに行ってきました。

今回は敢行自体がですが、個人的にはタイミングがなかなか合わず年イチ位しかワンマンは見れないので、やはり年イチ行事的な感覚。

 

 セットリスト

1.into the filtration→濾過

2.焼失
4.半分人
5.プール
6.千年樹
7.エドワードスミス
8.damned
9.ハッピーJ
10.canine
11.after the addle apple
12.tonight is the night
13.群盲象を評す→elephant in the room
14.ザゾンビ
15.love hole
16.出来事と偶然の為の媒体
17.賑やかな食卓
18.殆ど腐敗
19.真っ赤な雪
20.dawn of the god
 
”after the addle apple"収録曲がトラック順にセットリストに配置されていて、レコ発的な空気もありました。といいつつ各音源からバランス良くピックアップされていて、これがすごく良かった。
出来事前のMC"the god and death starsでした"からの展開は、瞬きも我慢したい程でした。
 
やっぱりワンマンに行かないと聴けない曲たちが増えてきた。
「古い曲やります」と言って始まったプールもなんだかんだ四年前の曲だし、大好きなcanineなんかもイベントじゃまず聴けない。tonight is the nightの曲を結構やってくれて、個人的には嬉しい。出会った頃の音源なので。the studsのtonight is the nightも好き。tonight is the night芸人。
 
ライブで聴くと、思っていた以上に"after the addle apple"の楽曲の持つ質感は、今の彼らに馴染みが良くしっくりきていました。
だし、旧盤の匂いを音源より感じられた。あの音源が持つ疾走感、みたいなものの一端が感じられたような。旧addle appleが無いのは寂しいけど。
真っ赤な雪で〆たのも個人的に◎でした。gibkiyやらKEELを経て、こうゆう曲をライブの大事な位置でやってくれるのは結構意味があると思ってます。
 
aieさんの歌声も、緩急が巧くつけられていて、tonightやサビなんかも綺麗に。
でもその一方ではじめて見た時に感じた、あのザラッとした感触は薄れてきたような気がします。歌声に限らず。
 
やっぱりgodさんはいいです。すごくいい。絶対に生で見るべきバンド。
godさんのSHELTERワンマンは三回目なんですが、ようやくいい位置で観れたんです。
2013.05は階段から覗くように、2015.05はaieさんの真正面 だったので……。
毎度思いますが、行って良かった。
 
三ヶ月連続ワンマン、年内頑張ればアルバムetc いくつかの計画が発表されましたが、これを機に大きく躍進してほしい。

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psycho:lens. / …。【サイレンス】

 

psycho : lens.

psycho : lens.

 

 

…。【サイレンス】、初となるフルアルバムです。

タイトル出たあたりから、とても楽しみにしていました。ワンマンも行けなかったので、指咥えて待ってました。
 
想さんが自身のtwitterで簡単な解説を載せてくださっているので、個人的なメモ的な意もあり、引用させて頂こうと思います。

 
僕自身、emmureeに関しては好きな曲こそあれど、そこまで聴き込んでいる訳ではなく、近作もチェックできていません。
他のメンバーさんに関しても、キリさんをcocklobin時代に見聞きしたくらいなんです。
懐かしいなぁ、初期cocklobin。"DARK DESING CATALOG"⇒”死と再生”の頃。
他の御二方は全く知らない……。
 
なので、メンバーの各バンドから来たというか、純粋に…。【サイレンス】が、という感じです。"DREAMER DREAMER"出たあたりに、godさんと対バンがあって、そこで知りました。
ライブに頻繁に足を運んだりする感じや、躍起になって音源集める程ではありまではないのですが、好きですね。
 
こうゆう音楽が好きなんです。
湿度のあるギターロックがベースにありつつ、情感溢れる詩と曲。
引き合いに出すのはアレかもしれませんが、DIR EN GREYなんかも、やっぱり湿度を帯びた情感たっぷりな所がある故に聴くのをやめられないわけで。前作でいうと"懐春"とか。
amber grisなんかにも通じるところがあって、V系というフィールドとそのバックグラウンドありきでやる、こうゆう音楽がやはり。
…。【サイレンス】はもっと坦々とした曲をやるイメージがあったのですが、いい意味でやさしい光が見えるような曲も多くて、個人的には大分好みな仕上がりでした。
彼ら的には王道ではないのかも……?
 
一曲目らしい、一曲目でした。後戻りしない展開というか。
ラストのマーチ風のリズムで盛り上がるところがいいです。
 
イントロのフレーズで心掴まれました。タイトルから名曲の匂いは漂ってましたが。
終始コードを弾くギターとウワモノのギターが鳴り響く、心地いいミディアムナンバー。そういった意味では、あるいは、ループ感というか坦々とした感じもします。詩も明日を見る感じで。
ギターソロ前の間奏がツボでした。winter fallの一番→二番(この言い方どうなんだ)に行く間奏ばりに好きですね、うまく言えないけど。
 

ほんとだ、ベースのフレーズブレ無い。割と展開はあるのに、浮ついた感じはしないのはそうゆうことか。

曲自体はそんなですが、歌詞が好きです。

 

アイスでも食べようかなみたいに思ってた時に盛り上がる所がきて'オッ"っとなりました。淋しさといっても”星がキラリ”、なんていう表現も出てきて、そんな情景をプラネタリウムに例えつつの世界観と喪失感を丁寧に編んだような一曲。

特にフックになる箇所とかも無いんだけど、飛ばせないですね。 

 

僕はなんだかんだ白い~セピアな世界観が好きなので、ここから三曲は特に好きなブロックです。

タイトルの通り、水族館のお話です。もはや、こういった少しハズしてくる詩も…。【サイレンス】の味でしょう。

twitterなんかで、”0円シングル”って何なのと思って、結局わからないままアルバムを迎えてしまいました。

結局のところ”0円シングル”って何なの。実態。(ラーメンズ復活!)

 

一番好きでした。サビメロには、ほんのり和の雰囲気があってたまらないですね。

個人的には、こうゆう想さんも待っていた。

 

日が沈む情景が浮かんでくるような一曲。

恋愛云々とかじゃなくて、5時のチャイム聞こえた公園的切なさ。

間奏がいいフックになっています。

 

これは新鮮。フレーズはパリッとしてるけど、どこか湿っぽい、そんなシンプルなギターロックと言っていいかも。とにかく新鮮!

 

想さんの王道、が満を持してといったところです。

こうゆう曲にグッと入り込める人が、想さんの理解者なんだろうな。曲は好きですけど、その辺僕はまだまだみたいです。

 

ゴメンナサイ。pomanderの”element of soul"を思いだしてしまいました。

アルバムを通して、明日へ向かうニュアンスもいくつか描いてきた中で、こういった幕引きを選ぶのはもう”らしさ”以外の何者でもないな、と。

 

というわけでした。

アルバムとして、始まりと終わり、そして収録曲のバランス・流れ も良く、名盤といって差し支えないのではないでしょうか。

春のリリースもぴったりだったと思います。 

 


psycholens

 
 

ZeTeS / NOCTURNAL BLOODLUST

 

ZeTeS

ZeTeS

 

 

流通音源としては、"PROVIDENCE"以来のミニアルバム。

EAST配布の"We Are Never Getting Together"はハマりしましたね……。
 
初回プレスは二枚組仕様で、三曲入りのCDが付属しています。
前作もそうですけど、映像よりも曲欲しいのでこの仕様には大賛成です。
ジャケットも少し感じ変わりましたね。
 
"THE OMNIGOD"→"PROVIDENCE"がだいぶ外に向けられて作られた作品だったんだなぁ と感じました。外に向けてというよりか、間口を広げていたというか。
今作は、本来の彼ら(であろう)のハードコアな部分がかなり濃く出ている作品だと思います。
そんな中で、ちらほらと色んな音を混ぜて、引き出しを見せていくのは実に彼ららしいというか、ハッとさせられる場面が多々あります。”NG+”のサックスなど。
 
SE的一曲目"ZeTeS"、初っ端から、新しい匂いを感じさせてくれます。
個人的に、KORNの"Coming Undone"を彷彿させるリズムで高揚感が掻き立てられます。
 
続く"Malice against"、スネアカウントからのストリングスが絡むイントロ、たまらん!!ご飯くれ!!
サビ前にブレイクが来るなど、だいぶ展開がカオスですが、サビは疾走感を帯びつつメロディアスに展開。
強烈なアーミングからインする、ブラストビート×Jeff Hannemanばりのギターソロもコンパクトながら最高にかっこいい。
 
"EXCEED"が今作の中だと一番”らしい”楽曲な気がします。いい意味でわかりやすいというか。
急なテンポチェンジとかが一番少ないのでは...今作は本当にブレイクダウンの嵐......。僕みたいなV系:メタル=7:3(もしくはもっとメタル要素強めの方々)みたいな雑種豚共が悦びそうなアルバムです本当に。※登場人物全員褒めてます。
ギターのリフもGRIMOREの頃の匂いを感じました。
そして唐突に訪れる中盤のサウンドスケープ。ノクブラのこうゆう小技、好きですね。
 
"NG+"
サックスの絡む導入からの、極悪ギターリフ。このリフでご飯三杯いける。
これまた展開の多い楽曲。様々なものを彼らのフィルターで濾過させて、新しいものを作り出そうとしているという気概が伝わってきます。このバンドの好きなところの一つです。そうゆう風にして生きていきたいものです。
この曲一番好きかもしれない。 KORNとかリンプとか聴いて育ったニューメタル世代なので(言いたいだけ)、異質な音が聴こえると興奮するんです……ex.ハァハァ、、ジョナサンのバグパイプ最高。
サビでは"V.I.P"ばりのポォウッッ!
アウトロでSTAR WARSのハンソロと初めて会う、あの酒場思い出しました。こんな曲流れてませんでしたっけ。
 
"Deep Inside"
”Malice against"とかとは違う、前ノリな疾走感が印象的な一曲。
バンドのアンセムになりそうな気もしなくも無いです。
Daichi曲といえば”Aster"や”FATE”としっとりした質感のイメージでしたが、なんとなく前作の”Ignis heart"の流れを汲んでいるなぁと。叙情的な要素とある種のストレートなメロディの良さが健在。
 
"the strength I need"
申し分ない〆の一曲、新鮮でした。
ノクブラの好きなところって、シングルにはしっかり導入を作るし、アルバムのラストはしっかり〆るっていうところなんです。
そういった世界観の作り込み、がV系のシーンとも相性が良かったのかな、とも。
これまでのアルバム、特に近作では音数を絞ったバラードのような感じで〆ていて、この曲も系統はそこだと思うんですが、あくまでアルバム全体で表現してきたエクストリームな音の厚さや強さを殺していないところが印象的でした。
〆に泣きのギターソロが来て、大団円って感じでした。
 
Cazqui曲でかき乱して、Daichi曲、Masa曲で締めるところは締めた 、なんだかんだ大筋は外さないノクブラのミニアルバム。
展開も、音使いも、とても目まぐるしいアルバムですが、サビと呼ばれるところはどれもキャッチーです。
そこに少し違和感を感じるのも正直なところなんですが、杞憂に終わって欲しい。

個人的には"GRIMORE"のような、各所メロディが立っていて、(大きなテンポチェンジとかの)展開が少ない方が好みではありますが、ミニアルバムとは思えない程の濃厚さでした。
また作曲者毎に色が出ていて、そういった楽しみ方もできるようになってきました。

Disc2は”Malice against"のinstrumentsal ver.と”Rebellion” "A Bullet of Skyline"の再録。
再録曲どっちも、キレが増してます。再録の好みはそれぞれ。
 
ノクブラがV系のシーンにいるもの当たり前になってきて、彼らのヴァイタリティはもちろん、このシーンの受け皿の大きさにも驚かされます。
僕が最初に観たのは、2014年頭の赤坂BLITZでのLIPHLICH主催(素晴らしいイベントだった)でした初見の初聴。”Domestic Crisis"と"V.I.P"にイチコロ。
やっぱりキャッチーなリフやらに耳を奪われたんです。ドメスティックでいうとAメロのタメが効いてるリフ。

歌詞もほぼ英語で、シーン特有の”暗さ”みたいなものはもはや感じなくなってきましたが、やっぱり所々哀愁を感じるメロディだったり、掴むところは掴む作風が大きな魅力なんだと思います。
 
ZEAL LINKで買ったところ"オリジナルインストゥルメンタルCD"という二曲入りCDRが付いてきました。
というか、アマゾン予約していたけど …。【サイレンス】のアルバム買いついでに見かけて、ポイント貯まったし特典音源欲しいな みたいな感じで買ってしまいました。
特典音源としては、十分楽しめました。ギターメインのインストで、恐らくドラムは打ち込みです。二曲目はしっとりしてて結構好みでした。

真夏の通り雨 / 宇多田ヒカル

 

真夏の通り雨

真夏の通り雨

2012年リリースの ”桜流し”以来の新曲。

タイトル通り、夏の夕方とかに通り雨が降った後の、あの独特の匂いと湿気すらも感じてしまうような一曲。歌い出しからグッと引き込まれます。純粋に声とメロディに。

ちょっと前まではヒットチャートを追うだけで、こういったいい曲に出会えた。だし、90年代はもっとそうだったのだと思います。

けれど今はもうオリコンだろうがiTunesだろうがランキングなんて、本当にアテにならなくなってしまった。

そんな中、”宇多田ヒカル”という、ある種の目印みたいなものを、ちゃんと掲げてリリースしてくれるのは本当に有難い。ニュースにもなるし。宇多田ヒカルが歌っているんだから、当たり前といえば当たり前ですが。

 

この声を聞くと初心に帰れるし、やっぱり間違いない。少し線が太くなった?声色も、個人的には好きです。

初めて自分のお金で買ったCDが”DEEP RIVER"なので、自分の感性の下地の一部であることは間違いなく、そういった意味での初心……。 

Deep River

Deep River

 

 ”Letters"や"Be My Last"といった、彼女独特の哀愁と物憂いを帯びた作品達は十年以上経った今でも好きだし、この曲も敢えて枠に収めるならば、それらの部類に入るんだと思います。

 

歌詞の解釈とか、曲の解釈をするにはとても忍びないので、個人的な感想メモ程度で留めます。

cali≠gariといい、夏を彩ってくれるであろう楽曲が出てきていて、今から夏が楽しみです。

gibkiy gibkiy gibkiy インストア etc...

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行きました。渋谷タワレコ

説明不要のレジェンド達にお会いできて超ハッピーでした†

 

もちろんただの偶然ではありますが、ちょこちょこここでVogus Imageとかロリヰタ23区の話とかしてたら、どっちも復活みたいなことになってきたので楽しみです。

あ、umbrellaのアコースティックワンマンもだ。お金とってやればいいのにと書いたら現実になった、、、。

 

ロリ区は、初期はもちろん、総史の時期も好きだし、何よりいいアルバム出して一番盛り上がっていた頃に止まってしまったので、復活は嬉しいです。

継続的にやって欲しいな。

 

といいつつ颯さん時代の”天上アクアリウム”をペタリ。

たまんないなこれ、名曲!


Lolita23q - Tenjo Aquarium [doc. TOUR 09 Carnival of III ward Live].mp4

 

GRiM / Neverland

 

 

GRiM (TYPE-B)

GRiM (TYPE-B)

 

 

Neverland初のフルアルバム。

内容は既発シングルに、新曲四曲なのでベストアルバムに近い。ラルク状態!
 
といっても、既発シングルがほぼ再録されていて、しっかり名刺代わりの1stになっております。結構珍しいんじゃないかこれ。
また当初、初回盤10曲+DVD、通常盤11曲という発表だったところ、初回盤・通常盤共にCD内容は11曲で変わらずという仕様に変更するなんていう、今日び珍しい感じになっています。
 
既発シングルに関しては、肝となるメロディや同期は外さずにおそらく全パート再録されています。全体的にジャストなタイム感だったところ、グルーヴを感じさせる仕上がりになっているな、と感じました。
Missing memoryは少し定位が変わっている気がしますが、再録無しかと思われます。
 
新曲四曲も、Neverlandの良さをバランスよく出せていてどれも好きでした。
個人的には”7th heaven"が絶品。
 
おそらく誰の期待も裏切らない幕の内的1st、ではないでしょうか。
シングル曲もこの流れで聴くと、また新鮮で良さを再確認出来ました。
まだまだ個性や評判が出歩いてないからか"誰のどの音が"、というよりはバンドとして塊で聴けるから、ある意味純粋に曲の良さが光っています。
歌詞も前向きな系も、雰囲気系のものもあって、難しいことは無いんだけど、グッと来るフレーズがちょこちょこあります。
 
もう少しダークな要素があるとよりこのバンドらしさが出たような気もしますが、コンパクトな名刺代わりっていうところで。
個人的にこれまでのシングルが全部ツボで(特にhumaNOISE,Missing memory)、期待していましたが、間違いなかったです。ベタ褒めか。
 
 
元々はyoutubeで見付けて、baroque(バロック、BAROQUEどの表記が今一番相応しいんだろう)の怜さんに声に似てると思って、聴き始めたバンドなんですが、すっかり好きになってしまった。
キラキラの流れや懐古の流れ、ソフビとも違う、しっかりいい曲を作るバンドが来たな、と。
amber gris,Moranとかの流れとも違う、とてもV系らしいメロディでのミュージックというか。
 
そんなこんなで、アルバムリリース記念と銘打たれた2016.02.19のReNYワンマンにに行ったんです。その時のDaydreamとラストのJupitar→7th heavenが本当に最高で……。
7th heavenの時なんか、一番後ろで腕組みながらニヤニヤしまくって、身体ユサユサしてました。
初聴でああゆうのやられるともうダメなんですよ、ファンのみなさん(ロストガール?)も嬉しそうだし、もうニヤニヤが止まらない。
amber grisの"ファラウェイ、ファラウェイ"をpomander先行リリースのSHIBUYA BOXXで聴いた時も私は超ニヤニヤしていた。
 
"666Hz" "アグリマン"なんかの割と今っぽいノリの曲も不思議と拒否反応が起こらないんです、個人的に。チャラチャラしてないんです。
メロディがしっかり立っていて、身体に入ってくる。素直に楽しめました。
この日配布された"depend"も優しいミディアムナンバーでとても好きです。
 
こんな言い方だと、上からみたいな感じですが、同世代(もしくは年下?)として本当に凄いと思っていて、応援してます。

憧憬、睡蓮と向日葵 / cali≠gari

 

憧憬、睡蓮と向日葵[良心盤(通常盤)]

憧憬、睡蓮と向日葵[良心盤(通常盤)]

 

桜闇盤やザビのリリースを除けば、 "12"以来の新作。

コンセプトアルバムとしては"ブルーフィルム"以来15年以上振りとのこと。

初回盤は涼しげな青色カラーケース仕様。秋田氏のアートワークも◎、この場所に行きたい………。
ブックレットもしっかりしていて、こうゆう所を妥協しないのはいいなぁとcali≠gariの作品を手に取る度思います。
こうして挙げてみると何かと”青”が付き物ですね。
 
cali≠gariはズルい。
これが第一印象。
 
僕は活動休止中に存在を知り、
”9”以降からリアルタイムでcali≠gariを聴いている、そう所謂復活以降ファン組です。初ライブは武道館。
xx一年生。
ちなみに知ったきっかけは、シドのマオ氏のブログで第7実験室が紹介されていたのを読んでです。
確か夏恋出したあたりだったかと思う。
近くのTSUTAYA行って第7実験室借りてハマりました。
夏恋にもハマッてました。
カリガリにめまい、微炭酸ピーチ状態。
 
ほぼ全ての音源を揃えました。
でもそんな経緯からか、奇形メルヘン時代の音源にも好きな曲はあるけれど、
正直ドロドロした世界観よりも
青さんの哀愁メロディ×石井さんの無機質な歌声or石井節バリバリの昨今の曲が肌に合うんです。
初めてリアルタイムで触れることができた新しい新曲(当時)”スクールゾーン”に勝る曲は未だに無いんです。
 
というわけで今作。
だいぶ聴きやすく、シティポップ寄りの曲があり、踊れる曲があり、青さんフォークがあり と抜け目無い。
でもどこか寂しい。
何かさっぱりしていて物足りない。復活以降ファン組の僕ですら、そう感じてしまう。
扇風機に指を入れて遊ぶおかしい人がいる夏は描かれていない。
 
”12”からの流れで今作。
曲数も少ないので全曲書いてみます。
 
”薫風、都会、行き行きて”
瑞々しい。
この空気感、どうにも渋谷系の香りを感じてしまうんですが、どうでしょうか。野宮真貴土岐麻子でも歌ってくれそう。
ベースでメロを引っ張ってく感じが、Cymbalsっぽいというか。
でもあくまで歌を立てて、ルートを押さえた上で広げていくベース。特にアウトロラスト4小節、このバランス感である。
ありそうでなかった、初夏を描いた一曲。
秦野さんのシンセも相まって独特の浮遊感がクセになる。僕はこれがドンズバでした。
 
”ギラギラ”
theカリガリなリフから始まるギラギラ 。
エログロを少し感じますが、そこはあくまで8期。もう少しアクが欲しい。
 
”陽だまり炎”
青さんのカッティングが堪能できます。気だるい雰囲気から徐々にスタイリッシュになっていく。
”とある仮想と”と同じく研二郎×秀仁コンビですが、リズムと打ち込みの絡みが複雑で、化学反応が毎回気持ちいいです。
 
”蜃気楼とデジャヴ"
不思議とエロチカに近い香りを感じました。
颯爽たる未来圏、セックスと嘘といい
石井と青さんの境界がいい意味で曖昧になってきていると、本当に思う。
今この曲が青さん作曲と言われても、受け入れてしまう気がします。
狂信盤ではドラムに差し替わっているんですが、
変わらず、この独特のモタッとしたリズムが癖になります。
 
”アレガ☆パラダイス”
ライブ映えしそうな一曲。
カリガリって地味にこうゆう曲も武器だと思います。
これもあともう少しアクが欲しい気がするけど、ライブで聴いたら結構満たされちゃうんだろうな。
電気睡蓮初めて聴いたとき、このテンポで欲しい!と思ったくらいのテンポ。
いつかの赤坂で聴いた虜ローラーの多幸感たるや。
 
”憧憬、睡蓮と向日葵”
少し耳に刺さる煌びやかなギターストロークが、雨上がりや汗といった夏のアレコレを感じさせます。
歌詞も、独特の言い回しや文体ではなく普遍的な言葉を選んできたな、といった印象。
これが今のcali≠gari、というか青さんのモードなんだなと。
どこかに向かって歩き出す、とかではなく終わってしまった何かに想いを馳せる切なさ。
そういえば石井節全開の歌詞も最近ご無沙汰。そういった意味でも8期はやっぱりスタイリッシュなのかも。
伸びやかなギターソロが新鮮。名曲です。
 
 
この作品の、cali≠gariの、何がズルいかって、
物足りなさを感じようが、こざっぱりしてようが、これは間違いなくcali≠gariの作品だし、
cali≠gari以外には作れないミニアルバムになっている、ところだと思います。
もっと言うなればヴィジュアル系のアルバム。
 
このアルバムって、ヴィジュアル系のフィールドでなくても全然通用すると思うんです。
でもcali≠gariヴィジュアル系だし、このアルバムも絶対にヴィジュアル系
ヴィジュアル系っていうのは、見た目でも、曲の特徴でもなく、
そういったものも含めた様々な"表現の場"なんだと、
そうゆう事をcali≠gariは第一線でやってくれている感じがするんです。
もちろんBUCK-TICKLUNA SEA、90年代のバンド達が創り上げた大いなる礎からの系譜もありつつ。
そんなことを思いました。
 
余談ですが、litteleHEARTS.の購入特典”ブトーレグ cali≠gariのリハーサル”も◎でした。
バンドやってたorやってる人は空気感とか合間合間のちょっとしたフレーズが楽しいと思うし、そうでない人もメンバー間のやりとりが楽しめると思います。
僕は何故か最初にこれから聴き始めて、聴きなれないコード→SEが来て慌てて止めました。このアルバム全曲のリハーサル音源でした。
これも手に入れられる方は、是非。